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- 苺電波コラム 第16回 -

ギャルゲーマシンのためのPCパーツ選び


今回はギャルゲー歴5年,IBM-PC互換機自作歴5年の私(baru) が偏見に満ちた実用性皆無なコラムを書かせていただきます. PCを自作しない人には何がなんだかの長文になってしまいましたが, お暇な方はお付き合いくださいませ.

なお,ギャルゲーを快適に,そして楽しくプレイすることを最優先にしていますので, 普通のパーツ選びと相反する結果になってるかもしれません. あらかじめご了承くださいませ. また,評価は執筆時点('99. 8.28)でのものなので, 時間がたてばまた変わると思います. この先は私がギャルゲーマシンにとって重要と勝手に思っているパーツの順になっております.


ビデオカード

ギャルゲーマシンで最も重要なパーツ. それはビデオカード. CPUパワーがいくらあっても, ビデオカードがダメだと画面書き換えのためにいらいらし, 愛しの萌えキャラのくすんだ肌色に涙するはめになる…,かもしれません(^^;  そんなことにならないように, ビデオカードを選ぶ時には次の点に注意しましょう.

  1. イメージ描画(2D)が十分早いこと
  2. 画質と発色が良いこと

それでは,ビデオチップメーカーごとに考察してみましょう.

ATI

発色,画質が昔から定評のあるところの1つ. 描画性能はCPU速度に影響されるようですが, Celeron, K6-2 以降ならば(恐らく)大丈夫. ただ 3D 性能はあまり芳しくないので,3Dゲームをする人には不向きかも. 今年になって出た Rage 128 系 chip になっても ギャルゲー描画性能はあまり早くなってないようなので, ギャルゲーコストパフォーマンス的には一世代前のRage PROの方が良いかも (DVD再生支援機能が必要ならば別ですけど). 安いバルク品(古いカードならば4000円台から)もあるので, とにかく安く抑えたい人にはおすすめ.

あと,ATIのビデオカードはTV出力付きの製品が充実してるのも嬉しいところ. 大画面TVをもっている人はTV出力付きのカードを買って 29インチマルチぃぃぃぃ大画面上の萌えキャラに萌え転がるもよし.

Matrox

ここも昔から画質と発色の評価が高いところ. AGP の G200 以降ならばギャルゲー描画性能も問題無し. 3D描画性能が必要でないならG200, 必要な方は最新のG400がおすすめ. ただし,PCI のカードは避けた方がよいかも. 実際,初代Milleniumはギャルゲー描画性能はあまり速くありません.

nVIDIA, 3Dfx

nVIDIAといえばRIVAシリーズ,3DfxといえばVooDooシリーズ. 3D描画性能でトップを競い合い,3Dゲーマーには人気の両社. が,ギャルゲーマーたるもの,この両社のビデオカードは買ってはなりません. 使いもしない3D描画性能と引き換えに萌えキャラの美しい映像を失ってしまいます.

RIVA TNTについては以前CanopusのSPECTRA 3200を使ってたのですが, メーカー品でこれかいっ,というぐらいくすんだ発色. 今のビデオカード(I/O DataのSavage4)に変えた時に
瞳ちゃんの肌色ってこんなにきれいだったんだぁー
と瞬時に思いましたもん(^^;;;  VooDooは使ったことはないですけど,画質や発色でいい話はあまり聞きません. 実際にどうなのかはしりませんが…,敢えて選ぶこともないでしょう.

それでも,どーしても3D描画性能が必要というならば.
2台作れ(マジ
ギャルゲー用と 3Dゲーム用とでマシンを分けるというのが一番確実な解決策だと思います(笑  あ,でもMatrox G400なら1台でも割といけるかも.

S3

Matrox G400程ばりばりじゃなくていいけどそこそこ3D性能が欲しい, でも価格は抑えたい, という方にはS3 Savage4は割とおすすめ.

ただS3のカードを買う時に難しいのがカードのメーカー選び. ATI, Matrox, 3Dfxなんかは自社製のカードがあり,それを買えば大体OKなのですが, S3はまだ自社ではカードを出してないうえ (Diamond を買収したので,そのうち出すでしょうが), カードのメーカーによって画質のばらつきがあります. 有名メーカー品(Creative, Diamond, Number Nine, I/O Data) ならば大丈夫でしょうけど,無名メーカー品を買うときは注意. まぁ,真のギャルゲーマーたるもの, 萌えキャラの画質のためならお金を惜しむべきじゃないと思いますが(おぃ

その他のメーカー

Number NineのRevolution IVは画質と発色については非常にすばらしいそうです. もっとも,3D性能はいまいちなようですが. この他にもいろんなメーカーがありますが,私が直接知らないとこばかりなので割愛.

ビデオカード選びの難しさ

ギャルゲーマシンにおいてビデオカードの画質は非常に重要なのですが, 雑誌やWebでビデオカードが紹介されてる場合, ベンチマークの結果は載っていても画質評価はあまり載って無いのですよね. 店頭で確認することもあまりできませんし, 結局は既に持っている人のマシンを見せてもらったり, 話を聞いたり,口コミなどで情報を集めたりとか,そんな感じになっちゃいます. あと,画質や発色については好みもありますしね.

それから,描画性能についても通常のベンチマークの結果とギャルゲーをやっている時の体感速度が必ずしも一致しないとこが難しいところ. まぁ,ここ1年のビデオカードなら実用上は大丈夫だと思いますが.


サウンドカード

声付きゲームが当たり前になってきた今, サウンドカードはギャルゲーマシンにおいてますます重要なパーツとなっています.

普通の人におすすめのカード

やはりYAMAHAのYMF744チップを使ったカードでしょう. YMF744はYMF724の改善&機能強化版で, 最近このチップを使ったサウンドカードが増えてきています.

このカードをすすめる最大のポイントはXG準拠の強力なWaveTable音源です. MIDIを使うギャルゲーはRolandのGS音源対応のものが大半です. YMF744の場合XG音源ということで GS音源で再生するのとは音色がどうしても異なってしまうのですが, それでも他の同価格帯の音源に比べれば再現性は十分. とらいあんぐるハート(1, 2),Silver Moon,With You,PALETTE,Pia☆2,ぷる2 とXG音源でやってみましたが,大抵の曲は大きな違和感無く再生できます. 最近は大手のF & CのゲームもXG対応になったようですし, お金をかけずにギャルゲーMIDIの品質を大幅に向上させるのでしたら YMF744は本当におすすめ.

YMF744カードを買うときに注意しなければいけないのはカードのメーカー. YMF724の時は周辺チップに安物の互換チップを使った音質の悪いカードが出まわり, YMF724自体の音質の評価を不当に下げたということがありました. 私の知ってる範囲ではAOpen, XWave, Hoontechの出している YMF744カードは音質がよさそうです. YAMAHA純正のカードはまだ発売されていませんが, そのうち出るかもしれませんね.

ところで,AOpenのAW744-sは CD-ROM Driveからのデジタル入力と同軸によるデジタル出力を持っており, 外部オーディオ機器(MDデッキやD/Aコンバーター) を接続することで更なる音質向上が望めます. これで3980円ですから安いものです. 他にもHoontechをはじめデジタル入出力(同軸や光) を持ったYMF744カードがあるようなので,気になる方は調べてみるとよいでしょう.

とにかく安くあげたい人向けへのカード

YAMAHAのYMF724チップを使ったカードでしょう. 同じYAMAHAのYMF744に比べると音質や機能で多少劣りますが, 一世代前のチップになってしまったので価格が下がって只今お買い得. 価格は2480円から…,とサウンドカードの最安値とはいきませんが, 1480円ぐらいで売られているサウンドカードとの品質差, 特にXG準拠のWaveTable音源の品質差を考えたら 1000円ぐらい余計に出す価値はあります.

YMF744カード同様カードのメーカー選びは重要. YAMAHA純正, AOpen, XWave, GALLANTあたりが評判よいようです.

MIDIの再現性が気になる方は

RolandのGS音源の中古 + YMF724 or YMF744にしなさい. それが一番確実だから.

サウンドカードの内蔵WaveTable音源で Roland GSの再現性がまともなのってのは殆どありません. サウンドカードに Roland GS Compatible て書いてあっても, それは「音が鳴る」という程度の意味であって, 音色や再現性の互換性など殆ど無いと思ってください.

あとソフトシンセもあまりおすすめしません. ソフトシンセでMIDI + PCMのゲームをする場合, ソフトやサウンドカードによっては同時に鳴らせないことがあります. また,音質もハードウェア音源と比べるとおちます.

その他のサウンドカード

うーん,ギャルゲー用途に限るとYMF744, 724のWaveTable品質,音質, コストパフォーマンスに勝てるカードってのは殆ど無いんですよねぇ…

ギャルゲーではありませんが(笑),4 Speakerとか3D Positional Audioを使った DirectSoundばりばりのゲームをする人なら Diamond の Monster Sound とかもいいかもしれませんね.

Sound Blasterは?

サウンドカードといえばSound Blasterが有名ですが, ここまで一度も名前が出ませんでしたねぇ. 私がSound Blasterが嫌いってこともあるんですけど, スペックや価格を考えても,Windowsに限れば Sound Blasterをギャルゲーマシンに導入する積極的理由ってのは思いつきません.

デジタル入出力については,Hoontechを始めとしたデジタル入出力付き YMF 744カードを使えばSound Blaster Live!同等の機能が得られます. WaveTable音源についても,国内のギャルゲー対応度ということからすれば YMF724やYMF744に比べてかなり劣ります. 音質についても,Sound Blaster Live! や Sound Blaster AWE 64 Gold よりノイズや歪みの少ないサウンドカードは数多く存在します. 3D Positional Audio や 4 スピーカーについても Monster Sound をはじめとしていくつか選択肢があります.

使ってもいないのにこういうことを書くの何ですが, ギャルゲーマシンにはもはや Sound Blaster は不要です. 少なくとも私は Sound Blaster を使ってなくてもギャルゲーを十二分に楽しんでます.

サウンドカード選びの難しさ

ビデオカード同様,サウンドカードもなかなか試聴する機会がないので, 音質を基準に選ぼうと思うと難しいものがありますね. 既に持っている人の評価を聞いたり,実際に聞かせてもらったりするとよいでしょう.


モニタ

別にギャルゲーに限った話ではありませんけど, モニタはけちらない方がいいです. やっぱり,好きな萌えキャラはきれいな画面でみたいしねっ☆

それから,ギャルゲーをするならばまだ液晶モニタは不向きでしょう. CRTに比べ発色で劣ること,640x480全画面のゲームが多いこと, これらを考えるとまだCRTモニタが良いと思います.


メモリ

64MBあればまぁ大丈夫. 128MBあればばっちり. それ以上の増設はギャルゲーには関係ないでしょう(^^;

ギャルゲーの場合はメモリがボトルネックになることはそうそうないので, SIMMからPC-100 SDRAMにしたからといって劇的にスピードが速くなることはまずありません. それよりも量の方が重要です. もっとも,最近はDIMMよりSIMMが高価になってしまったので SIMMに固執することもないでしょう.


ハードディスク

現行機種ならまず大丈夫. ギャルゲーに限ればSCSIでなくてもE-IDEで十分です. ただ,最近は650MBとか1GBとか要求するゲームもありますから, 容量は最低でも6GB,できれば8〜10GBは欲しいですね.

容量のこともありますが,転送レートも昔に比べて速くなってますので, 古い2GB以下のハードディスクを頑張って使いまわすよりは最近の大容量のドライブを使うが吉. OSやソフトの起動時間が速くなるだけでなく, ゲームによっては動きがスムーズになると思います.


CPU & マザーボード

やっとCPUが出てきましたね(^^;  実際,ビデオカードやメモリに比べるとギャルゲーにおける CPUの影響は比較的小さいのです. 一部の激重ゲームをのぞけば Classic Pentium 133MHzでもそこそこ動いちゃったりしますからねぇ.

少なくともPentium IIIが必須なギャルゲーはまだ無くて, 相当重いギャルゲーでも今のところは Celeron 333MHzぐらいあれば問題は無いと思います. ギャルゲーに限ればコストパフォーマンスのよいCeleronで十分. PentiumIIIを買うぐらいだったら差額でいいビデオカード買いなさい(^^;  マザーボードはSocket370でもSlot1でもお好きな方でどうぞ. メモリを256MB以上にするのでなければ440ZX chipsetでも問題ないので, ギャルゲーに限って言えば440ZX chipsetマザーでも十分です.

Socket7 ですが普通の人にはおすすめしません. 理由を簡単に.

ギャルゲーにおいてビデオカードが重要なのは最初に述べたとおりです. 最近はAGPビデオカードが主流ですし, ギャルゲーパフォーマンス的にもAGPを選択するのが良いといえます. しかし,Socket7のマザーボードはAGPまわりの相性問題を起こすことが多く, 動作保証さえされてないことも度々あります. それを考えると,過去の資産を使いまわすならともかく新規に買うのであれば Socket370やSlot1のマザーボードの方が無難と考えられます.


CD-ROMドライブ

普通の人はATAPIのCD-ROMドライブが1台あれば問題ないでしょう. 仮想CDがあればさらに快適にプレイできると思います(私は使ってないのでよくわかりません).


最後に

ここまで色々書いてきましたが, ひょっとすると最近のギャルゲーをやる上において最も重要かもしれないもの. それは

インターネット接続環境

かもしれません(笑

いや,ISDNでもモデムでも専用線でもいいんですけど. 最近要パッチのゲームが多くって,多くって. しかも,パッチの大きさが数MBとかというメーカーもあるし…  フロッピーにはいらないじゃないですか. 困ったもんですねぇ.


次回の苺電波コラムは天野螢です。


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