[BACK]

- 苺電波コラム 第29回 -

「距離の壁を越えて」


先日、私は関東に遊びに行ってきました。私がインターネットで知り合った人に会うために関東へ旅行したのはこれで11回目。最初に関東に行ったのが一昨年の10月。年5回のペースで関東に行っている事になります。これ以外にも愛知だとか京都だとかにも行っていますし、この2年の間に費した交通費はかなりの額になっているでしょう。

というわけで、今回は私がインターネットを始めて思う事を書いてみようと思います。

■人と会うという事

私がインターネットにはまり始めたのが一昨年の7月頃。一番最初にインターネットで知り合った友達に会ったのは、その次の月の8月。愛媛の友達で、夏コミに参加するために東京に向かう途中、JR京都駅で40分程度の待ち合わせがあると言う事なのでその時にちょっと会おうか、と言う事になったのです。

今思うと、その時に出会えた事はほとんど偶然に近かったです。お互いに初めて会うし、せめて写真があればもっと楽に会えたと思います。10分ぐらい、「多分彼らだろう」と思いながら声をかけれなかった時間がありました。声をかけるまでは知らない人、声をかけたらまるで旧知の親友のように、というのはちょっと大げさですが、客観的にみていささか奇妙な光景だとは思います。今となってはとくに珍しい事ではありませんが。

■人に会うという事

これ以降は、私の住んでいるところが西の外れとは言え一応近畿地方ということもあって、インターネットで知り合った大阪近辺の知り合いと月一のペースで会うようになりました。そして、なんかの大きなイベントがあるとそのメンバーで関東に行く、というパターンが続いていたのですが、この頃になると苺電波部のメンバーとも会うようになり、去年の4月のある日、伝説と言われた、皐月賞事件(勝手に命名)が発生したのです。

何があったのかと言うと、金曜日の夜中に苺の関東メンバーが集まると言う話をしている最中に「日曜日は皐月賞だし東京行こう」と土曜日の朝には新幹線に乗っていた、と言う事があったのです。その時はワインを飲む、という目的もあったのですが、一番の目的は苺の関東メンバーと直に話がしたかったという目的もありました。昔の私はそんなに人に会うのが好きな方ではなかったのですが、この頃になると積極的に人に会うようになってました。いろんな人に会うのが楽しいと思うようになりました。これに関しては今もほとんど変わっていません。

■人に触れるという事

私のHPの日記がいわゆる「アンテナ」に捕捉されるようになったのはいつぐらいからでしょうか? この事は私を大きく変えました。それまではチャットでしか人との交流は無く、つまりは私を知っている人は私も相手の事を知っているという状況にしか身を置いてなかったのですが、アンテナに捕捉される事により、私の知らない、私を知っている人の存在を意識するようになったのです。

人に見てもらえると言う事は確かに嬉しい事であり、そうしてくれる人を大事にしたいと言う気持ちが働きます。もともとは私を知っている人への生存表明のつもりで書いていた日記も今となっては少し趣が変わってきたような気がします。と言っても所詮は日記。あれが私の等身大だと、後で恥ずかしくない様な物を書き続けていきたいと思ってます。

そして、アンテナに捕捉された事によって私が変わった一番の事は、自分のやりたい事がはっきりしてきた、と言う事でしょう。それまでの私のインターネット上での他の人とのつながりのほとんどは趣味によるものでした。つまりは他の人の自分と共通する所しか見えてなかったのが、日記書きと言う、同じ趣味の人を探す方が難しい様な大きな輪に参加した事によって、今までとは違った面が見えるようになったのです。いろんな事をしている人達がいて、ふと、今までは知らなかった、気が付かなかったような事に興味を覚える。今で言うと、いろんな人に触れなければ家のパソコンに FreeBSD を入れる事もなかったでしょう。これ以降の話は前回のコラムに繋がるので今回は書きません。

■手を伸ばせば

なんだかよく分からない話になってしまいましたが、私はインターネットというものを手軽にいろんなものに触れる事のできる場だと思っています。もしかしたらいろんな冒険ができる場なのかもしれません。誘惑も多いですが、思い切って手を伸ばせば、今までは届かないと思っていた何かが掴めると、私は思っています。


次回の苺電波コラムは baru の予定です。


adzumi@denpa.org