物心ついた時には既に家にカセットレコーダーがあったと思います. ラジオも何もついてない単なるカセットレコーダー. もちろんモノラル. マイクも外付け. カセットのソフトがあった形跡もないし, 今思えばなんであったのかかなり謎です.
もう少し時間が進んで 78 年頃,車にカーステレオがありました. 家族でのドライブ中, たかだか 3〜4 本のカセットを交互に飽きもせず聞いてた気がします. そのうち 1 本は洋楽のオムニバスのカセットだったのですが, その中にあった Eagles の Hotel Calfornia が今でも耳に残ってます. 洋楽には全然興味の無かった小学校低学年の頃だったというのに不思議です.
小学校 5 年生の頃,お小遣いをためて初めて自分のラジカセを買いました. 一番安かった SHARP の 7500 円のやつ. 当然モノラルです.
その頃の私は歌謡曲中心でした. 60分テープ 3 本のローテーション. ラジカセで録音したのをカーステレオで聞くのです. ソースで一番多かったのは AM の歌番組でした. あとは TV のスピーカーの前にラジカセを置いて TV の歌番組から録音するとかやってました. 当時の私には音質という概念はなかったようです(笑
中学生の頃になると所謂ニューミュージックに興味を持つようになり, 深夜放送も聞くようになりました. ただ,中島みゆきのオールナイトニッポンを最後まで聞くのはしんどかったので, 2 時まで聞いたところで 120 分テープをセットして寝るってのが多かったです. あとは色々あって親にバレたり. もっとも, そのおかげで夜遅くまで編物してる母親に堂々と録音を頼めるようになりましたけど. 今思えば,録音したみゆきさんのオールナイトニッポンを車中で家族みんなで聞くってのは結構凄い光景な気がします(汗
その他にも AC 100V で動作する目覚まし時計を改造してオーディオタイマーにしたり, ラジカセのモーターと直列に可変抵抗をいれて回転を遅くして 120 分テープの片面に 120 分録音できるようにしたり, 楽して深夜放送を聞くために色々やってましたね.
ニューミュージックにはじまり,洋楽やフュージョンも聞くようになり, 中学半ばからは FM 放送を聞く頻度が増えてきました. 安いモノラルのラジカセでは不満も増えてきます. そしてついに中学 3 年の時に National のステレオラジカセを買いました. メタルテープ使用可でライン入出力付きのミニコンポに近い感じのラジカセでした. ステレオで音楽を聞くのが普通になるというのは私にとっては小さくない変化でした.
そして,高校入学前にお年玉や入学祝いを使ってカセットデッキを買いました. カセット間のコピーをやりたかったのと, 入力レベルの調整を手動でやりたかったのと, オートリバースが欲しかったのが主な動機だったと思います. 実際,オートリバース導入後は深夜放送の録音はずっと楽になりました. 買ったのは Technics のカセットデッキで, オートリバース機としてはローエンドのものでしたが, なぜかクイックリバースとか,dbx とかついてました.
この頃に母親の友人の家で不要になったアナログプレイヤーをもらい, レコードを聞くようになります. アンプは無かったのでイコライザアンプを3000円ぐらいで自作. まともなアンプを買うという選択肢を思いつくことはラジカセとカセットデッキでお金を使い果たした私にはできなかったようです(笑
全項目意味がわかっても何も出ません :-)
私が一番音楽,特に洋楽を聞いてた時期.
隔週土曜には FM fan を欠かさず買い,2 週間分の放送予定をチェックし, お気に入りの曲は録音. クロスオーバーイレブンが大好きだったあの頃.
好きなアーティストのレコードを買ったり, 興味のある人のレコードを貸しレコードで借りたりして聞いてたあの頃.
僕のまわりにはいつもカセットがあった.
大学 1 年の終わり頃, CD でしか入手できないソフトが増えてきた現実に負ける形で CD Player を買います. アナログレコードは再生する度に溝がいたむので, 通常はテープにコピーしたものを聞くのが普通でした. しかし,CD は何度聞いても殆ど盤が痛まないので直接聞くのが普通です. そして,カセットを使う機会が少しずつ減っていきました.
それでもラジオの録音には使ってました. 今思えば,ポップン・ルージュを月曜(永井真理子), 火曜(笹野みちる)だけ聞いていて, 木曜(谷村有美)は殆ど聞いてなかったのが非常に悔やまれます. この点だけは自分のショート属性を少し恨みます.
1990 年代にはいると音楽への興味自体が薄れてきました. 好きな番組がいくつか終了したこともあり,ラジオも聞かなくなりました. 中学時代から録り貯めたテープも段々と再生する時間が減っていきました. 保管場所が厳しくなり,結局殆どのテープを捨てました. 私にとって,カセットの時代はここで終わりです.
殆どのテープは捨ててしまって手元に残っているのは 9 本. そのテープを聞きながらこの原稿を書いています. 9 本のうち 3, 4本はアナログプレイヤーと自作のイコライザアンプで再生したものを録音したものですが, いやはや,凄い音ですね(苦笑 でも,聴いてて少しだけでも残しておいて良かったかなと思います.
あと,残っているのがテープの内容を記したノート. 曲名,ソース,使用テープ,NR の有無なんかをメモしたノート. あぁ,こんな曲聴いてた,こんな曲あった,って懐かしく見れるノート.
やっぱり,私にとってカセットは青春の宝石箱なのでした.
次回の苺電波コラムはごうです。