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- 苺電波コラム 第56回 -

「ゲームで見た夢(3) 〜アリスソフト〜」


■はじめに

部屋のパソコンが4台に増えた。OSも7種類入っている。もちろんすべてを操作しているわけではないが、昔に比べてゲームなどのアプリケーションよりも下の層を触ることが多くなった。新しいゲームを買うことも少し控え気味になってしまった。ゲームに関して何かを書こうとし始めた矢先にこれは少しピンチである。ネタを作るためにゲームをしてるわけではないが。
先週のコラムから買ったゲームといえば、ファイナルファンタジーコレクション、ストライダー飛竜1&2。現在予約しているゲームといえばYs2。時間占有率が高そうなディアブロ2は今のところ見送り予定なのだが、やったことのある昔のゲームを買いなおす傾向にある。今回のネタも古いゲームである。新しいゲームには何が足りないのか。きっと足りないのは「私のゲームをする時間」なのだろう。

■18禁について考えてみる

先週の螢くんのコラムはなかなか反響が大きく、自分のコラムが2度続けて比較的普通のゲームを題材にしててちょっと自分らしくないなと思う部分もあって、今回は18禁ゲームに焦点をあてて書いてみたいと思う。が、残念ながら「これ一本でコラムが書ける」と思えるゲームに乏しい。苺電波部に参加するきっかけになったリーフのゲームにしても、今までのコラム、昨冬に苺電波読本にいくらか書いている関係もあって、改めてコラムには適しないと判断した。

なら、何なら書けるだろうと考えてみた。

先週のコラムを読み返してみて、自分は最近エロゲーと判断できるゲームをほとんどやっていないことに気がついた。確かにエッチなだけのゲームを買う気は、今ではもうあまりない。エロ以外の部分に価値を見出しているような場合がほとんどである。この辺は、自分が18禁ゲーに触れてきた期間が長かったせいかもしれない。自分の嗜好もあるだろう。最近の自分のやったゲームでは何も書けないのではないかと思った私は、自分の記憶を遡ってみることにした。

そこで思い浮かんだゲームが、アリスソフトの「宇宙怪盗ファニーBee」と「アトラクナクア」だった。

■「受けは宇宙を救う」

発売が平成6年だから、もう6年前。エッチなゲームというよりかは、下ネタ満載のバカゲーといったほうが正しいかもしれない。ラスボス前のエレベータを降りた先にいた敵などは、忘れようにも忘れられない(そこっ、やっぱりその頃からそうだったんだ、ってゆーなー)。それ以外にも馬とか署長とか(やっぱりこの系統か…)も覚えている。健さんは印象に薄い。しかし、思い出すのが主人公以外に男ばっかりというのもナンである。
深夜番組的なノリとでもいうのだろうか。ベタな部分も多かったので、結構好き嫌いの激しいゲームだったかもしれない。私のプレイ後の満足度はかなり高かったゲームだったが、貸した友達には不評だった。

あの時期にああいうタイプのゲームは珍しかったんじゃなかろうか。このゲームより一つ前に出た「アンビバレンツ」も珍しいタイプだったように思う。もっとも、アンビバレンツに関しては、面白いゲームであったがエロゲーではなかった。私が最初に「エッチの部分が不要」と思ったゲームだった。

■女郎蜘蛛

このゲームも発売してもう2年以上が経つ。アリスの館456の中に入っていたゲームのうちの一本と考えれば非常に良くできた作品で、実際このゲームよりもつまらなかったゲームは多い。でも、このゲームは私にとってあまり愉快なゲームではなかった。面白いけど許せない、という感情をこのゲームに対して持っている。この屈曲した感情が、しばらくアリスのゲームに対して嫌悪感をもたらす結果になったのだが。
許せないという感情を持った最大の理由は、自分が男で人間であることだと思う。最終章は置いてけぼりを食らった印象がある。一読者に徹するにはあまりにも前半が魅力的過ぎた。いや、私にとって魅力的だったのは彼女本人ではなく、周りの「人間」だった。ハッピーエンド至上主義者である私にとってあの最後は誰が幸せになれたんだろうという気持ちもあった。
もし、学生時代にあの作品に出会っていたとしたら、おそらく何らかの2次創作を創っていたんじゃないかと思う。それを考えると、社会人になってしまった(=自由にできる時間が減った)自分が少し悔しい。

■今のアリスに期待するもの

ふと考えてみた。
最近、ほとんどアリスのゲームを買っていない。それはアリスのゲームに魅力を感じていないからである。最大の原因は「普通のゲームしか作ってない」印象があるからだと思う。技術力はあるはずなのにその割にはスケールが小さい感じもする。今一つ覇気が感じられない、というのは言い過ぎか。

アリスにはもっと暴走してほしいと思う。


次回の苺電波コラムは東雲あずみです。


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