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- 苺電波コラム 第57回 -

お絵描きしましょ Vol.4(カラー編その2)


私的お絵描き基礎講座のその4、今回はカラーイラストの入門編その2です。 なお今回はCGではなく、いわゆる紙原稿についてのお話です。


■カラーイラストはいと楽し

分野にかぎらず創造するということは楽しいものです。 イラストについても無論のことですね。 ただ、昔からカラーイラストは特に楽しいといわれます。 理由はいくつかあるのですが、 やはり「いろいろと遊べる」ことが大きいと思います。 CG全勢となりつつある今は、失われてきたものもあるのですが・・・ ぼかしなど効果を行なった場合の偶然性による出来の差異、 また使用する用紙による効果、画材を複合利用することによる効果など 多彩な効果を重ねあってゆくことの楽しみなどでしょうか? モノクロ原稿ではなかなかここまでは遊べません (まあ、薄墨などもあるのでいちがいにいうのはまずいのですが)

あとは単純に色を塗る楽しみというのもあります。 いわゆる「ぬりえ」の感覚でしょうか? 気軽に身近な画材をつかって色を塗ることで、 自分の絵にあたらしい命を与えることができる。 これはやはり楽しいものです。

結局何がいいたいかといいますと、 もっとより手軽に、気軽にカラーに挑戦してもらいたいなということです。 どうも「カラーイラスト」といわれると身構えてしまって なかなか手を出せない方もいらっしゃるようですが、 そんなに身構えることはありません。 とりあえずはチャレンジしてみることが大事なのですから。 ともかく自分の絵に色を塗ってみましょう。

とまあ、そんなこと言われてもと思われてる方もいらっしゃると思いますので 実際にイラストを描く際の初歩的な注意点についてここでは解説してみます。

■実際にはカラーってどうやって描くの?

1、紙

さて、下絵を描いてみましょう。 ここで注意点その1です。 まず下絵を描く紙に注意しましょう。 その紙は水で濡れてもやぶれたりしませんか? 利用する画材にもよりますが、 やはりカラー原稿の場合はある程度の厚みをもった紙に 下絵を描くことをお薦めします。 上でもちらっと書きましたが実際には紙にもいろいろな種類があり、 利用する紙によって多彩な効果を出すこともできるのですが 普通の方はあまり持ってるものでもありませんし、 どこでも売っている画用紙でかまいません。 もしくは漫画用原稿用紙の裏なども悪くはないですね。

注意点その2です。 下絵を描く場合は消しゴムはできるだけ軽く掛けるようにすること。 また筆圧を軽くして、紙に凸凹をつくらないようにすることです。 トレス台などあればいいのですが、下絵を描いた紙に直接着色する場合は この点も結構重要です。 理由は「紙を痛めないため」です。 あまりつよく消しゴムをかけるなどすると紙の表面がけばだち、 着色の際にそこから紙がやぶれてしまったり、 色が淀んでしまったりする場合があります。 紙に凸凹をつくらないというのも同じで、 これも着色すると妙に目だってしまうものです。

ともかく下絵を描く際にも、後で着色することを忘れずに気をつけて下さい。

2、インク

さて下絵が完成したとします。 つぎはペン入れです。 さて、モノクロ原稿でもやっているペン入れですが、 カラーの場合は実は非常に重要な問題があるのです。 それは『ペン入れするインクに耐水性がなくてはいけない』 ということです。 当たり前ですが、一部を除いたほとんどの画材は水分を持った状態で塗る必要がありますのでインクに耐水性がなくては、インクが溶け出してひどい事になってしまいます。 モノクロ原稿でわりと一般的に利用されているパイロット社の製図用インクには耐水性がありませんので、注意が必要です。 耐水性のあるインクとしてはパイロット社の証券用インクがあります。他にもたくさんあると思うのですが比較的入手しやすいのはこれですね。

あと注意したい点としては、ペン入れ時に失敗をしないようにするということですね。 モノクロ原稿の場合はホワイトなどで修正できますが、 カラー原稿の場合は上から色を置くために、 単純にホワイトで修正したりすると思わぬ影響がでたりします。 これについてはできるかぎり失敗しないようにするしかありません(^^;


とりあえず、ごく簡単にですが、 カラーイラストを描き始める段階での注意点について解説しました。 なにせカラーイラストという分類自体が 実はほとんど意味がないほどに多くの要素を含んでいるので この程度の解説ではまったく足りないのですが、 まあ入門段階で困りやすいところについて解説してみたつもりです。 どぞ、御利用できる方は御利用ください。


次回の苺電波コラムは baru です。


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