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- 苺電波コラム 第66回 -

「ゲームで見た夢(5) 〜ぐわんげ〜」


■はじめに

先週の土曜日(本来ならば今日と書けるはずだったのだが)、ドラゴンクエスト7が発売された。私は元々予約はしていなかったのだが、発売日の朝に無事に購入する事ができた。買いに行った時間が昼前だったので購入層のほとんどが親連れの子供であったが、実際に見て「こんなに売れるのか」とびっくりした。しばらくはこの子達の話題はこのゲームの事ばっかりになるのであろう。
プレイしてみたのだが、なるほど、良くも悪くもドラクエである。回を重ねる毎に新しい要素が追加される(モノによっては同じシリーズだとは思えない)FFシリーズと対象的である。大きく変更された点は(プラットフォームの変更によって可能になったのであろう)フィールドの3D化ぐらいなもので、メニューの操作感はそのままだった。しかし、その唯一と言って良い変更はかなり疑問のある変更である。以前と同じ部分が多いほど、その点がやけに目に付く。この変更のおかげで、ゲームの本筋とは関係ないところで時間を食うようになってしまったように思う。まあ、私はもともと「アンチ3Dゲー」的なところがあるので視点が厳しいのかもしれないが。

■「参ります」

今日のテーマは「ぐわんげ」。ようやくシューティングゲームの登場である。マイナーなゲームであると思われる(メーカー、ファンの方には失礼)ので少し説明すると、1999年に CAVE というシューティングを主に作っているメーカーが出したアーケードゲームで、自分に取り付いた式神を祓う為に獄門山を目指す、というストーリーである。もっとも、プレイ中はそんなものほとんど関係ない。ついでに補足すると、私が1コインでエンディングまで到達できた唯一のシューティングゲームでもある。
ちなみに、このゲームの初プレイは 1999年7月19日。自分の日記にはこう書いてあった。

"ぐわんげ"を姫路(行き付けのゲーセンじゃない方)で発見、初プレイ。
感想…良く分からん(ぉ 冷静にプレイできるようになったら面白いんじゃないかなぁ、って感触。それと、ケイブらしく、自機の当たり判定は1ドットっぽい。敵の弾の当たり判定も小さいんじゃないか? でも食らう時は食らうけど。
あと、地形と強制スクロールには慣れが必要かなぁ。地形に当たり判定はないけど、結構やっかいだぞ。

今見ると当たり障りのない文章である。が、この日からかなりの確率でぐわんげの事を日記に書いている。会社の帰り道にそのゲームが置いてあるゲーセンがあった、というのが続けられた一番大きな要因である。この手のゲームは、続ける事で体が覚えていく面があるので、コンスタントに続けることはそのまま上達に繋がるのである。
余談ではあるが、最近の(特に一部のメーカーの)シューティングには背景の練り込まれたゲームが多いような気がする。プレイ中はそういった背景は関係ないのだけど、後でそれを知ってなるほどと思ったり、エンディングを見て謎が氷解したりとかという感じの付加的な楽しみが増えている気がする。ぐわんげの場合、背景を読んでもイマイチよく分からなかったりするが、プレイヤーキャラの一人の賀茂源助のエンディングは好きである。こういうのをネタにした同人誌とかがあるかもしれない。さすがにそこまで探したいとは思わないけれど。

■壁は高い方が良いのか低い方が良いのか

私はシューティングが好きではあるが、根性なしである。壁にぶち当たる(それ以上腕が上達しなくなる)と、とたんにやる気をなくす場合が多く、そうやって止めてしまったゲームは数多い。中には壁にぶち当たっても満足してるゲームもあるが、大体の場合、「私には合わない」と判断してしまって、以後、よほどの事がないとそれをプレイしないようになる。最近では「マーズマトリックス」がそうである。会社近くのゲーセンでは私以外このゲームををやっている人をほとんど見掛けないので、果たしてプレイしている人は居るのだろうかと思うほどである。
話が横にそれたが、ぐわんげの場合、私はほとんど壁にぶつからずに進む事ができた。徐々にではあるがプレイするたびに先のステージに進む事ができるようになった。シューティングには珍しく、残機制ではなくダメージ制だったというのも大きかったかもしれない。私は他の人に比べて集中力が長続きしない方なのでポカミスが多く、それで腐ってしまう事が多いのだが、ダメージ制のおかげでそういうのもほとんどなかった。下手な人向けのゲームと言えると思うのだが、そういう点がやり込み系のシューターにウケなかったのか、あまりはやらなかったようである(基盤の絶対数が最初から少なかった、というのもあるとは思うが)。
とにかくにも、私はこのゲームをやりつづけた。上達するにつれ、プレイ時間が長くなる。30分を越えるとヤバイというのは以前に「レイディアントシルバーガン」にハマった時に思ったのだが、このゲームも長い。コンスタントに最終ステージにたどり着けるようになった頃には、1プレイで異が痛くなるほどの疲労感を感じていた。休めるタイミングはステージクリア後のわずかな間である。当時日記などに書いていた「式神に魂を吸い取られる」という表現はあながち嘘ではなかった。おかげで帰りの電車の中はぐったりしていたものである。
やりつづけた甲斐あって、前の章にも書いたが、1コインでクリアできるようになった。が、残念ながらクリアできるようになると逆にだんだんと興味を失っていっている事に気が付いた。更にスコアを求めてやる続ける事も可能だったのだろうが、自分としてはクリアできただけで満足してしまったようである。

■今後の展望

低調ではあるものの、コンスタントにシューティングゲームは発売されている。数ヶ月前のアーケード雑誌で巻頭特集を組まれていたのを見ると、わずかながら復調の気配があるのかもしれない。下手なので、一つのゲームに集中しないとクリアはおろか、自分の満足の行くレベルにまで進む事すら難しい。なので、できる限りいろんなゲームに触れて、自分に合ったものを探す必要があると思う。最近では、ブレイブブレイド、バサラ辺りが、近くに置いている店がなくてあまりプレイできないのが悲しい。2つめの1コインクリアできるゲームになれるかも、と思うと悔しい。1コイン100円でも、ゲーセンがたくさんある地域に住んでいる人がうらやましく思う。
シューティングゲームに必要なのは体力である。体力が続く限り、私はこれを追いかけていきたい。ぐわんげを越えるゲームに出会える日を夢見て。


次回の苺電波コラムは東雲あずみです。


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