前回から今回にかけて、ゲームに関して特筆すべきものはほとんどなかった。ドラクエ7を淡々と続け、Diablo2 を再開して 2nd キャラを鍛え、Air を購入して話に泣いて、ドラゴンブレイズを置いてあるゲーセンが近くにないことに地団太を踏んでいるぐらいである。
そう言えば、うちの兄貴がこの連休中に帰ってきて、最初に言われた言葉が「今日の京都大賞典をビデオに取っといて」で、次が「(テイエムオペラオー=京都大賞典の勝ち馬が)強い勝ち方したぞ」だった。なるほど、確かに最後の直線でまったくムチを入れていない。いや、ゲームにヘまったく関係ないが、ちょっとだけ。
みなさんは「アドベンチャーゲームブック」というものをご存知だろうか?
「ドルアーガの塔」「アドベンチャーゲームブック」(以下ゲームブック)でニヤリとされる方がいらっしゃるかもしれない。一応今回はアーケードネタにしようと思ったのだが、もともとアーケードゲーマー歴はそんなに長くないので書くことがない。というわけで今回は変化球で原作(?)がアーケードであるドルアーガの塔に焦点を当ててみた。
私が最初にドルアーガの塔を見たのはファミコン版。友達の兄がプレイしていたのを横で見てたぐらいである。当時の私にクリアできる代物ではなかった。宝物の出し方が全部載っている本が横にあったのだが、それを見ながらでも無理だったろう。何せ、当時の私には「X軸Y軸」が分からなかったのだから。本を見ながら画面に大きくXとYの文字を心の中に描いて「どういう意味だろう?」と考えた記憶がある。何度かプレイさせてもらった記憶があるが、せいぜい、シルバーマトックを入手できたぐらいだっただろう。
そんな私がある日出会ったのが、上記ゲームブック版のドルアーガの塔である。ちなみに最初にやったのは「悪魔に魅せられし者」(1-20階)ではなく、「魔宮の勇者たち」(21-40階) の方だった。その後、偶然にも上記の友達が持っていた「悪魔に〜」を借りてプレイしなおした記憶がある。従って、私にとってのドルアーガの塔は、メスロン/タウルスの両者(主に「魔宮の〜」に登場する協力者)とともにある。メスロン単独のゲームブックも発売され大いに喜んだものだが、一時期大量に供給されていたゲームブックの人気が落ちてしまい、確か続編があったはずなのだが結局発売されなかった(はずである)。このような未完結のシリーズは他にも存在し、続編が出ることを期待してちゃんとキャラクターシートを残していたモノは結構ある。実はこっそり完結していた、というのもあるかもしれないが。
ゲームブック版のドルアーガの塔はアーケード版と何が違うのだろうか。もともとアーケード版はアクションゲームなので、それをゲームブックで表現する事は限界がある(というか不可能に近い)。設定を流用した全く異なるゲームと言っても間違いではないだろう。実際、前出のタウルス/メスロンといった仲間がいたり、ドルアーガにゴルルグという腹心がいたり、原作にない要素がたくさんある。また、「悪魔に魅せられし者」「魔宮の勇者たち」「魔界の滅亡」という3冊に分冊されていることもあり、それぞれいろんな試みがなされている。どの階もいろんな趣向が凝らされていて、3DRPGのようにマッピングしながら解き進めていくのが非常に面白い。
ドルアーガの塔三部作を最後に読んだのはいつだろうか? 高校生の時に一度通して読んだ記憶がある。戦闘でいちいちサイを振るのが面倒で、必ず戦闘には勝ったで読み進めていっていたのだが、それでも 60階制覇するのはかなりの時間がかかった。もちろん、最後は星降る夜でトドメある。なかなかニクイ演出だ。
こんな感じで、原作(?)はほとんどプレイしたことが無いにも関わらず、ドルアーガの塔が好きである。ナムコミュージアムvol.3を持っているので、いつでもアーケード版がプレイできるのだが、やはり私にとってのドルアーガの塔はこのゲームブック版である。このコラムを書く際に取り出してきてちらっと中身を読んでいたのだが、思わず読みふけってしまいそうな魅力がまだある。今では全く見かけなくなったゲームブック。実家の引越しの際に(他のゲームブックを含めて)全冊捨ててしまったのだが、新冊の状態の3冊を古本屋で見つけ、即座に購入して保存してある。ドルアーガ以外のゲームブックも機会があれば買い戻してみたいものである。
私の若い日の思い出がここにある。
次回の苺電波コラムは東雲あずみです。