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- 苺電波コラム 第88回 -

「旅と酒」


旅に出れば酒が恋しくなる.

普段から酒は好きだ. しかし,旅先や旅の途中で飲む酒にはいつもと違った味わいがある.


旅の始まりは東京駅. まずはビールと弁当,もしくはつまみになる物を買って新幹線に乗りこむ. 時間があれば八重州口の大丸の地下で,なければ構内の売店で. 列車が動きだしたのを見図らって缶ビールの缶を開ける. どういうわけだか発車するまでは何となく飲みづらい. 発車と共に車内の雰囲気が飲みやすく感じるのは私の気のせいだろうか?

時間帯,旅先での食事の予定,その時の気分にも依るが, 私は新幹線や特急列車に乗ると缶ビールを買うことが多い. ビールなのは飲みやすいし旅行に差し使える程飲めないからだ. 日本酒やワインだとコップが必要だし,そもそもワインだと栓をするのに困る. どうでもいいことだが, 最近は駅の売店にスーパードライ以外のビールがあまり置いてなくて不愉快だ. あれは旅の気分で飲むビールじゃない,少なくとも私にとっては.


旅先では酒のうまい店を探す. 店を見つけるのに必要なのは自分の足とこだわり. とにかく酒が飲める店がありそうな一帯を歩き, 自分とフィーリングが合う店を探すのだ.

とりあえずスーパードライの看板が出てる店は却下. あれは単体で刺激を感じるビールだ. 食べ物との相性をちゃんと考えている店には必ずスーパードライ以外のビールが置いてある. 個人的にはサッポロ,キリンが置いてある店が好きだ. エビスが置いてあれば尚良い.

旅先でうまい日本酒が飲める店は案外少ない. 店構え,店頭に置いてあるメニュー, 店によっては店を飾っている空瓶やラベルで判断することになる. 新潟の有名どころの酒しか置いてないような店は無視. そんなものは新潟で飲めばよい. まずは地元の酒が飲める店, もしくは東京ではあまり見ない酒を置いてる店を見つけるのが旅先での楽しみというものである.

もちろん新潟では新潟の酒を飲むのだが.

そしてつまみである. 地元の酒を飲みながら地元の魚を食べる. 旅先ならでの幸せである. もちろん魚に限らない. 地元の食材を口にして飲む酒はうまいのだ.


旅に行ったらおみやげである. 自分のために旅先で酒を買い自宅で飲み,旅先に再び思いを寄せるのだ.

時間があったら酒屋,デパートの地下,駅の売店を巡ろう. デパートの地下の食品売場は酒以外にも色々売っていて, 好きな人には退屈しないスポットだ. 醸造酒は高温や光に弱いので,できれば酒専用の冷蔵庫を置いている店で買おう.

そして帰りの列車. 駅の売店で缶ビールとかを買い, うとうととしているといつのまにか東京に着いている. 旅が終り,旅の間の心地良い酔いが思い出となる. そして,うまい酒を求めてまた旅に出たくなる. その繰り返しなのだ.


次回の苺電波コラムはごうです。


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