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- 苺電波コラム 第96回 -

「ゲームで見た夢(11) 〜 猟奇の檻 〜」


■はじめに

みなさんはこのゴールデンウィークをどのように過ごされただろうか。中には「ゴールデンウィークって何?」という方もいらっしゃるかもしれない。私の場合はまさにファンタシースターオンライン(以下PSO)漬けにふさわしい日々を送っていた。とある事情で毎年この時期は遠出できないというのがあるので、毎年ゴールデンウィークはさながらゲームウィークになるのだが、今年のはまり具合は例年の比ではなかったように思う。それぐらい、PSO は面白い。
それ以外の近況はというと、そろそろ暖かくなってデスクトップに向かうのも苦痛じゃなくなったので、そろそろ何かパソコンのゲームを買おうかと思ったのだが、ふと全く前情報なしにゲームを買ったらジャンル的惨敗という憂き目に遭ってしまった。とりあえずシューターとしてとびでばいんは買う予定なのだが、それ以外にも読み物系でうろうろと探してみようと思っている今日のこの頃である。

■「これ、なんの肉だ?」

今日の話題は猟奇の檻シリーズ。昨年に出た3が恐らく最後の作品で、個人的には好きなシリーズだっただけに残念だった。ジャンルで言えば18禁の推理物アドベンチャー。名前どおり、閉鎖的なと空間で残忍な事件が発生する。18禁なのでもちろんその手のシーンは沢山出てくるが、物語の中心は事件を解明する事だ。事件に関する部分は比較的まともだと思う。事件を解明する部分は難しいと良く言われるが、それは他の似たようなゲームに比べて、で、推理物が好きな私にとってはそれほど難しいものではなかった。もっともプレイヤーが事件を解明するのと主人公が解明するのは別の話なので、分かっているのに選択肢がでないというジレンマに陥る事はあるが。

一番インパクトがあったのは1作目。プレイしてから5年以上経っていると言うのにいくつかのシーンはかなりはっきりと覚えている。そのほとんどが苦悩するシーンや困惑したシーンとかというのがこの作品を象徴している。この章のタイトルもその中の一つ。 しかし操作性に関して言えば昔の作品だけあって非常に悪い。このコラムを書く前に久々にインストールをしてその操作性の悪さに少し閉口してしまったが、あの当時はこれぐらいでも特に問題なかったと思うと、それはそれで面白い。

完成度の高さで言えば2作目。1作目は事件の本筋が分かりきった時点でやめてしまったのだが、2作目はギャルゲーをほとんどしない私でさえ全員クリアを目指した。1にしろ2にしろ事件とは別の部分でギャルゲーのような展開がある。条件を満たせばそれぞれヒロインとのエンディングを迎えられるというシステムだ。もちろん事件の本質を見るためには限られたヒロインとのシナリオを見るしかないのだが、事件にあまり関係ないヒロインとの話も面白い。うまく推理物と恋愛物が融合したゲームではなかろうか。私にしては非常に珍しい、他人に勧めても良いなと思うゲームの一つだ。

そして3作目。正直なところ上記2作をやった後では駄作としか言いようがない。面白くなかったとは言わないが、事件そのものに18禁の要素を含めてしまった点、キャラクターの魅力を感じる前に事件に巻き込まれていく点、そしてなによりどのエンディングを迎えても全然救われたように思えない点が話をつまらなくしているように思う。恋愛よりも事件に重点を置いた弊害なのか、確かに事件に関する部分は複雑でいろいろ考えられているのだとは思うが、全体として華がない。注目できる点がない。どんな話であれ、その登場人物に魅力を感じなければ面白さが半減してしまうというのを証明しているようなものだった。

■最後に

私は18禁であれ一般であれ、こういう推理物が好きだ。別に本格推理じゃなくてもいい。恋愛以外の人間関係を見るのが好きだ。推理物はそれに加えてプレイヤーが話に参加できる楽しみがある。しかしここ何年もほとんど推理物のゲームをやった記憶がない。探せば全くないわけでないだろうが、見つけられていない。
もし面白い推理物のゲームを見つけたら教えてくれると嬉しい。もちろん面白いシューティングも募集中だ。


次回の苺電波コラムは東雲あずみです。


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