水瀬家の食卓 Part2

「おはようございます、秋子さん」

「おはようございます」

朝食の席につくと、白い湯気をあげる味噌汁と銀色に輝くご飯が並ぶ。

今日は和食か。ということは…

ねちねちねちねち

「あゆっ、あんまり秋子さんの好意に甘えてばっかりじゃ…」

「…納豆ごはん」

「な、舞っ! なんでここにいる!!」

「…すごく嫌いじゃないから」

「お前は納豆の匂いにひかれて来たのかっ!?」

舞はオレには目もくれず熱心に納豆をこねている。

「あら、お知り合いなんですか?」

「え、ええ、まあ」

ここのところの夜間外出に関わることなので、なんとなく後ろめたい。

「ところでどうして?」

「朝、ゴミを捨てに出たら…」

「ばったり会って、朝食に招待したんですね」

まったく秋子さんは…

そこが秋子さんの良い所であるのは解るのだが、少し呆れてしまう。

「いえ、雪の中に倒れていたものですから」

「…ばったり」

見たところ制服が破けているでもなく、大きな傷はないようだ。

「大丈夫なのか?」

「…お腹空いてたから」

びよーんと伸びる納豆を熱々のご飯にかける舞を横目で見ながら、オレは佐祐理さんにからかわれる覚悟を固めていた。

おわり


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