以前このコラムで 「ギャルゲーマシンのためのPCパーツ選び」 と題して書いてから 2 年近くたちました. あれから PC の状況は大きく変わりました. また,以前よりも高スペックを要求するゲームも増えつつあります. そういった最近の状況の変化を踏まえつつ, 改めてこの題材で書いてみたいと思います.
このネタは量が多くなりそうなので, 「映像編」と「音響編」と 2 回に分けてお送りします. なお,偏見が多いのは前回と同じです. あらかじめ御了承下さい.
いとしの萌えキャラが表示されるディスプレイ. ある意味,ギャルゲーをプレイする際に最も重要なハードウェアかもしれません.
前回はギャルゲーに不向きと書いた液晶モニタですが, 最近は発色も拡大表示も以前よりきれいになっているようです. 場所等の都合で液晶モニタを選びたい人は液晶モニタでも良いと思います. ただ,発色にしろ拡大表示の画質にしろ,メーカーによって異なるでしょうし, どの程度画質が気になるかも人によって違いますから, 買う前に一度自分の目で確認した方が良いでしょう,
特にこういうモニタがギャルゲー向き,というものはありません. 敢えていえば,長時間プレイしても目が疲れず,表示の美しいモニタが良いですね, 長く使うものですし,変にケチらず良いものを買いましょう.
大画面でギャルゲーはいかがでしょう?
D3 入力や D4 入力を持つハイビジョンテレビでもギャルゲーはできます. D3 は I/O Data から, D4 はカノープスからそれぞれ対応したビデオカードが発売されています. カノープスの方は D2 にも対応していますが,D2 だと 640x480 のみになります. 800x600 のゲームは出来ませんので注意して下さい. また, I/O Data の対応ビデオカードである TVC-D3/AGP2 は 3D 性能があまり高くないので, 3D ゲームもやる人には多少厳しいかもしれません.
通常のテレビでもビデオカードに TV 出力があれば表示することができます. ただし,この場合は画質も発色も CRT モニタにかなり劣りますし, 細かい文字を読むのは難しくなります.
プラズマディスプレイやプロジェクターでもギャルゲーはできます. 究極の大画面ギャルゲープレイを楽しみたい方はご検討してみてはいかがでしょうか? (^^;;
愛しの萌えキャラをディスプレイに表示するためには絶対不可欠なハードウェア, それがディスプレイアダプタです. 具体的にはディスプレイ表示機能を統合したチップセット, AGP や PCI のビデオカード,マザーボード上のビデオチップが相当します. ギャルゲーを快適に楽しむためには,画質が良く, かつ表示が高速であるディスプレイアダプタを選ぶことが重要です.
最近は Intel の i810, i815 といったビデオ機能統合型チップセットが増えてきました. メーカー製 PC でも i810, i815, SiS630, SiS730 を使い, チップセット内蔵のビデオ機能を利用しているものがかなりの割合を占めています.
ビデオ機能統合型チップセットの性能ですが, ギャルゲーをやる分には殆ど問題ありません. ただ,Direct3D を使うゲームでは厳しいかもしれません. 実際,STUDiO B-ROOM の温泉de卓球はそれなりの 3D 性能を要求するので CPU パワーが足りないと少し厳しいようです. 一方画質ですが,こちらもフルスクリーンでプレイする限りは問題ありません. ウィンドウでプレイする場合も 1152x864 までは大丈夫だと思います.
なお,i815 はメインメモリのメモリクロックが 100MHz か 133MHz かで性能がかなり変わります. 予算等が許すならば PC-133 SDRAM を使うと良いでしょう.
最近はドライバのお行儀も良いようで, G400 や G450 は比較的安心して使えるビデオカードだと思います. ただ,ギャルゲーでの描画性能はそんなに高いわけではなく, i810 や i815 と比べて特別速いわけではありません. むしろ,場合によってはかえって遅くなることさえあると思います.
前回はおすすめだった ATI ですが,現在ではおすすめできません. ドライバの出来があまり良くないようで,不安定になりやすいようです. また,Intel 以外のチップセットとの相性が良くないので, Athlon や Duron で PC を組む人にはおすすめできません. それから,以前の製品ではハイカラーの扱いがまずいようで, フェードイン,フェードアウト, グラデーションといった部分でマッハバンドが出るようです.
圧倒的な 3D 性能でビデオカード市場を駆逐した nVIDIA ですが, ギャルゲーをやる分にはその 3D 性能は全く役に立ちません. 我々に必要なのは 3D 性能よりも美しい肌色です. 価格が安いわけでもありませんし, nVIDIA のチップを載せたビデオカードを積極的に買う理由は無いと思われます.
ディスプレイの項でも触れましたが, I/O Data の TVC-D3/AGP2 は唯一 D3 出力ができるビデオカードです. 私も使っていますが,ギャルゲーをやる分には今のところ問題ありません. そういうわけで,性能的には SiS300 や SiS305 を使ったビデオカードでもギャルゲーには問題無さそうです.
3dfx と S3 はなくなりました. 現在でも結構売られていますが,思い入れが無いのならば買わない方が良いでしょう. あと,Tseng, Number Nine と 2D 性能の素晴しいビデオチップを作っていたベンダが無くなったのは残念です. さようなら,ギャルゲーに彩を添えてくれたチップベンダ達.
現行の CPU であれば, CPU が大半のゲームでは画面表示のボトルネックになることはありません. もちろん速い CPU の方がプログラムの腐ったゲームでもスムーズに画面表示されます. しかし,そういった場合をのぞけば, CPU が速いことがギャルゲーで意味を持つことはあまり多くはありません.
とはいえ,FSB が 66MHz の時代は終わりつつあるので, 766MHz 以下の Celeron を新規に買うのは避けた方がよいでしょう. どうしても低価格で抑えたいのであれば Duron の方をおすすめします.
Intel の PentiumIII/Celeron と AMD の Athlon/Duron とどちらが良いかですが, 場合によると思います. AMD の CPU の長所は低コストで高性能を得られることです. 短所は発熱が多いことや, たまに AMD のチップセットで動作しないハードウェアがあることです. 一方の Intel はその逆ということになります. まぁ,AMD の CPU 用のチップセットも Socket7 の時代と比べると格段に安定しているので, どちらでも好きな方でよいのではないでしょうか.
なお,VIA のチップセットを使う場合ですが, チップセット Inf ファイルと AGP ドライバのみをインストールするのがコツです. IDE ドライバや miniport ドライバはインストールしてはいけません. この点さえ注意すれば VIA のチップセットでもそんなに不安定になることは無いと思います.
え,Pentium4? さすがにギャルゲーまでは加速してくれないでしょ? (^^;;
音響編は次々回のコラムでお送りします.
次回の苺電波コラムはごうです。