瑠璃子さんいわく、最近はちょっと電波のあつまりが悪いらしい。僕の電波はたくさん、たくさん、届いているんだけど。おかしいなぁ。瑠璃子さんの暖かい電波は、みんなのところにも届いているはずなのに。あ、天気がちょっと悪いから電波の通りが悪いのかも。明日は晴れるといいな。電波がよく届くように。ね、瑠璃子さん。
「くすくす。ごうちゃんの電波だけでもうれしいよ」
――本日の妄想開始
瑠璃子さんいわく、最近はちょっと電波のあつまりが悪いらしい。僕の電波はたくさん、たくさん、届いているんだけど。おかしいなぁ。瑠璃子さんの暖かい電波は、みんなのところにも届いているはずなのに。あ、天気がちょっと悪いから電波の通りが悪いのかも。明日は晴れるといいな。電波がよく届くように。ね、瑠璃子さん。
「くすくす。ごうちゃんの電波だけでもうれしいよ」
キミの瞳にうつるボクのすがた
ボクの瞳にうつる、キミの姿
ボクタチの電波は空間にみち、みちあふれ、時はまどろみ、たゆたう
……おかしい、いつもなら、このあたりで世界の色と音がなくなって……そのあと瑠璃子さんとのカラフルな世界がはじまるはずだぁ
「くすくすくすくす」
はっ、瑠璃子さん (ふりかえる)、あれ?
「ここだよ。ごうちゃん (机の下から参上)」
おおっとぉ!!!
「いけない、いけない。驚かせちゃったよ。くすくす。ごうちゃんは毎日電波をだしつづけたから、ちょっとつかれちゃったんだよ。わたしがアンテナになるから、ちょっと休もう。ね」
瑠璃子さん…
そうしてぼくは瑠璃子さんのひざ枕でしばしの休息をとったのであった。