やっぱ秋だなぁ。朝夕がさぶくなってきた…
ぎぎぎぎぎぎぎぎぎ、屋上の扉を開く。扉…世界をへだてるもの
こちらの世界とあちらの世界。あちらの世界にまつものはなに?……
「るーりーこさん」
「あ、ごうちゃん」
放課後、屋上にいる瑠璃子さんに会いにいくのがこのところの僕の日課だ。
「今日はさむいねー」
「くすくす。そうだね」
「あれ、るりこさんちょっと震えてるない?」
「ちょっと風にあたりすぎたかな」
僕はとつぜん瑠璃子さんをだきしめる。
ぎゅっ
「あ、ごうちゃん………………」
驚く瑠璃子さん。でもすぐに瑠璃子さんもしがみついてくる。
「あったかいな。ごうちゃんの体……」
(完)