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―― 学園妄想青春(爆)時代 第16話


夕日が町並みに沈んでいく。二つの影が長く、長くのびる、銀杏の並木道。

今日あったこと、受信したおかしい電波の話、今夜のテレビ番組、たわいもない話をしながら、二人ならんで歩く。突然、瑠璃子さんがぼくの腕をかかえるようにしてくっついてきた。二つの影がひとつにかわる。

「る、瑠璃子さん」

「くすくす。くっついててもいいよね?」

「…うん」

「ごうちゃんから電波が流れ込んでくる…」

「今日は僕がアンテナだね」

「うん」

夕日にてらされて、赤く、赤くひかる電気の粒が、僕たちの周りにあつまっている。二人をつなぐ赤い、電波の流れ…

「ねえ、ごうちゃん」

「ん?」

「コンビニであったかいもの買っていこうよ」

左半身に瑠璃子さんのぬくもりを感じながらたべる肉饅の味は、なにかおいしい。

(完)