夕方 in 屋上…あれ? 瑠璃子さんがいないぞ… in 図書室…ここにもいない in 教室…ここもだ。しかたない、電波を使おう…チリチリチリ…学内にはいないようだ。
「あ、すみません、今日瑠璃子さんは…」
教室に残っていた子に聞いてみる。
…今日は瑠璃子さんは風邪でおやすみらしい。そうか…よし! こんなときはお見舞だぁ
というわけで、ここは瑠璃子さんの家の前だ。一度前に来たことがあるが(過去妄想参照)、いつみても立派な家だ。
ぴんぽーん
おにーさんがいるかな?
ぴんぽーん
あれれ? ふみ、留守かな..
とんとんとん…
お、人の気配。がちゃっ…瑠璃子さん!!!!
「(ほわ〜) あ、ごうちゃん」
「瑠璃子さん!!! 起きてきてだいじょぶなの」
「(ほわわ〜) くすくす、だいじょうぶ…だ…」 (ふらっ)
「はわわわ」
よろめいた瑠璃子さんをささえる。
「瑠璃子さん!!!」
瑠璃子さんをだきかかえる……のはちょっとつらいので、おんぶして部屋までつれていく。
「(ほわわわ〜) あ、ごめん、ごうちゃん」
瑠璃子さんの額に手をあてる。まだちょっと熱があるみたいだ。
「ごめんね、ごうちゃん」
「気にしないで。ところでお兄さんは?」
「昨日から用事があって、でかけてるんだ」
「じゃ、ひとりなの?」
「うん」
瑠璃子さんはかわいいパジャマを来ている。水玉もようだ。ってそんなことはどうでもよくて (^^;;;;。冷たい水でかたく絞ったタオルを額にかけてあげる。
「ちゃんとごはんたべて、お薬とか飲んでる?」
「ううん、食欲ないんだ…」
「だめだよ、ちゃんとたべないと。よし、僕がなにか作ってあげるよ。台所かりるねー」
とたたた。返事もきかずにおりていく。
瑠璃子さんちの台所は立派だ。おお、でかい電子レンジ。コンロも電磁調理器なのね。うんうんなるほど (なにが?) 。
やっぱ風邪をひいて弱った体にはおかゆだよな。というわけでおかゆをつくる。ふっ、「美味しんぼ」で得た知識がこんなところでやくにたつとはな。なんてね。普通につくろう。
…ぐつぐつ…
ちょっと卵なんかもいれたりして、栄養はばっちり。かくし味は…うむ、元気になるように電波でもこめておこう。ちりちりちりちり(ォ
「るーりーこさん。おまたせ〜」
……
「どう?」
「おいしいよ。ごうちゃんて料理うまいんだね〜 くすくす」
「いやぁ、おかゆだしぃ」
・・・
「ところで熱はどう?」
るりこさんのひたいに手をあてる。
「うーんまだちょっとあるねぇ。お薬とかはないの?」
「台所の棚の引出しの右から2つめに…」
「よし、わかった」
とたとた
・・・
…と時間はまたたくまにすぎていく。
「ねえ、ごうちゃん」
「なあに、瑠璃子さん」
「今日はありがとね」
(^^;
「だいぶ熱もさがってきたみたいだね」
「うん。でも汗かいちゃった………ねえ、ごうちゃん。体ふきたいんだけどてつだってくれない?」
「ええっ!!!!」
どきどきどきどきどきどきどきどきどき
心臓の鼓動が速くなる。体中の毛細血管が拡張していく。脳のA10細胞が活性化し、アドレナリンの放出がはじまる。
「ごうちゃん、どうしたの?」
「えっ、いやその」
「顔が赤いよ。もしかしたら風邪うつっちゃったかな」
「だ、だいじょうぶだよ。うん」
ぼくは…
- 「体をふくんだね。じゃ、お湯をくんでくるよ」
- 「る、る、る、瑠璃子さーーーーーーん。よぉぉぉし、ぼくが体じゅーをきれーにしてあげるぅぅぅぅぅぅぅううううう」
よぉぉぉし、当然 2. だぁぁぁぁ(ばきっ☆\(--# … 1. っす
というわけで、お湯をくんでくる。
「じゃ、ぼくはちょっと外に…」
「あれ? ごうちゃん体ふいてくれるんじゃないの?」
…ぷっちん
# 以下数十行にわたって、瑠璃子さんファンからのかみそりメールがこわいので削除
・・・
うーーーーーん、うーーーーーん 頭がいたい…喉もいたい……熱もあるかも…あ、かなりある。
ここは自分の家だ。あのあと、僕は瑠璃子さんにつきっきりで朝まで手厚く看病した(ちなみに次の日は休みだった)。どのくらい手厚いかというと、それはもう書くと矢がとんでくるぐらい手厚くだ。
くふふ、もう瑠璃子さん、かわいかったなぁぁあぁぁぁ…..(妄想度300)
…でまぁ瑠璃子さんの熱もさがったので(汗かいたしね)、帰ったのだけど、帰りにどしゃぶりの雨。うみゅーーー意識がもうろうとしてきた…。ちなみに親はナイスタイミングで旅行なんかいってたりする。ああ、このまま僕は一生をおえるのだろうか…。適当に体をふいてテレビなんか見てたのがまずった…かな…このていたらくだ…あ、なんかおでこに冷たいものがあたってる…
「……ごうちゃん…」
ああ、瑠璃子さんのまぼろしまでみえてきた。
「ごうちゃん、だいじょうぶ?」
あれ?
「るりこさん…なの? なんでこんなところに…」
「くすくす。不用心だよ。玄関あいてたよ。ごめんね。風邪うつちゃったみたいだね。だいじょうぶだよ。こんどは私が看病してあげる…」
(完)